「あー!」


自分の声が、部屋中に響いた。


事故だ。


今のは事故だ。


そう思っても、心臓がいつも以上に早く動く。


「やばい、俺」


隣には、里穂が使ってたバスタオル。


机の上には、飲みかけのりんごジュース。


里穂がいた、その事実を俺に付きつける。


「だいたい、里穂はただの幼なじみだし」


そう言ってみても、もう遅い。


小さいころからずっと一緒だった里穂。


昔から小さくて、運動神経なんてこれっぽっちもないくらい鈍くて、泣き虫で。


そんな里穂の隣に、俺はずっといた。


もう、とっくの昔に俺は自分の気持ちに気づいてる。