「修斗、どこ行ったんだろ?」


その後試合は5-1の大敗で終わったけど、その間に修斗が席に戻ってくることはなかった。


修斗が向かった辺りを歩いてみる。


「よかった、いた」


スタンドの一番上で、フェンスにもたれ掛ってる修斗を見つけた。


「修斗?」


「ああ。里穂」


「試合、終わったよ」


「みたいだな」


「試合、見なかったんだね」


修斗が立ってる隣に、ちょこんと座ってみた。


「ほんとは、見に来たくなかった?」


「別に」


「ごめんね、修斗」


「なに謝ってんの?」