「テメェら汚ぇ手で妃美子に触んじゃねえ!!」
 ブチ切れた京は二人の男に掴み掛かっていった。
「京ちゃん!?」
「うわっ、なんだよ!?」
「てかこの声、男!?」
「まさか、どう見たって女だろ…?」
「確かに男にしちゃチビだし…でもこの声は女じゃないよな明らかに…。」
 男達はまじまじと京を見る。
「つーか俺はこんな格好だけど男だし、こいつ俺の彼女だから。彼女に何かしようってんならテメェらタダじゃ済まねえぞ?」
 京がドス声で正体を明かしつつもデタラメな言葉で怒鳴りつけると男達は更にたじろぎ、
「なんだぁ、オカマかぁ?」
「気持ち悪ィなぁ。」
「やべーよ、こいつ!行こうぜ!」
男達は去って行った。男達が立ち去ると、京は妃美子の方を向いて頭を下げる。
「ごめん、妃美子ちゃん!変な嘘ついちゃって!」
「気にしないで。京ちゃんのおかげで助かったんだもん。でも、大の男三人相手に喧嘩しようなんて危ないからダメ!」
「はぁ~い…。」
―妃美子ちゃんと本当の恋人にはなれないけど、こうやって仲良くできるんだから良いや。一緒にいられる時間を精一杯楽しもう。
 京はそう考えながら妃美子の手を引いてゲーセンを後にした。