「トンネルが出来たのは、千年ほど前のことだが、それまでは月の一度のオセロの大会が近くなって一週間に一度になったんだ。ちなみにエルフとドワーフはけっこう仲が悪くてオセロしか共通点がない。まぁ、魔法を使うのは同じだがな。ところで、エル・コロルとラ・ルスって知ってるかい?」

「あぁ、聞いたことがある。エル・コロルが…色でラ・ルスが…光だろ。確かエルフの力が色でドワーフの力が光だよな」

スワローは腕組みをして思い出してながらいった。

「そうなんだ。他にエルフはアスール―青―、ロッホ―赤―、アマリージョ―黄―のそれぞれべつの力を持って生まれる。ドワーフはロッホ、ベルデ―緑―、アスールだ」

「それがお前の死んだ理由と何の関係があるんだ。俺は眠るぞ」

バードはそういってマントにくるまって寝てしまった。

「やれやれ気の短い方ですね。人間はこれだから困ります。…私がエル・コロル最強の使い手のネグロ―黒―だったから死ぬことになったんですよ」

「ネグロだったって!今はその力はないの?」

ローズは興味深げにたずねた。

「えぇ、なくなりました。死人王に頼んで生き返られば、取り戻せますけどね。それより肉体をいただた方が早いです」