女郎屋に入った女は、もはや女ではない。

女の幸せを奪われ、それは奴隷と言った方が、しっくりくるだろう。





この女郎屋に、入ってから一ヶ月が経つ女がいた。

名は五穂(いつほ)。
まだたったの十七歳だ。


元はとある貴族の屋敷に務めていたが、主人の機嫌を損ねたために、女郎屋に売られたのだ。


五穂は顔が良い。
若いからというだけでなく、ここの女郎達の誰よりも美しく、心優しい。

当然、すぐに客の目にとまり、明日の晩には売られてしまう。