「花音、ぼんやりしてどうしたの?」


里衣子がいつの間に目の前に立っていた。



「な、なんでもない」


「本当に?」


「本当にっ!」


まだ疑っているような里衣子だったが特に気にしない性格なので違う話題に移っていく。



「花音!ライブ行こうよっ」


里衣子が雑誌を手にしてにこにこしている。



「何なの、いきなり?」


里衣子の言う事はいつも唐突なのよね・・・。


「要くん、カッコいいんだよね~」


「要君って?」


「やだ、花音知らないのぉ?CHANCEの要くんだよ グループ名なら知っているでしょ?」


「それなら知ってる・・・」