緑に囲まれた山道をバスで揺られること数10分。

目的の停留所でバスを降り、舗装された道路から細い小道に入って更に数100メートル歩いた先に、ペンションがあった。

辺りは薄暗くなっていたけれど、それでも緑鮮やかな景色の中、壁の白い色が際立って見える。


「いらっしゃい!」


あたしたちの到着を待ち構えていたんだろう。

管理人夫婦は既にドアの前に立っていて、あたしたちを迎えてくれた。

うちの親より少し年上かな?

そんな管理人夫婦は、あたしの隣の双子に懐かしそうな視線を送った。


「何年ぶりかしら? キラちゃんもソラくんも大人になっちゃって」

「最後に来たのは私たちが中学卒業する前だったから……2年ぶり? そうだよね、ソラ」

「そうだなー。旦那さんも奥さんも、お久しぶりです」