保健室の窓から正門をのぞくと、そこにはもう、人影があった。

正門から頭ひとつ飛び出ている長身……

それは遠目から見ても間違いない、徹先輩だ。



先輩……いつから待ってくれてるんだろう。



壁の掛け時計を見ると、もう17時を回っていた。


こんなところで眺めている暇なんてない!



あわててベッドから降りると軽く立ちくらみがしたけれど、

あたしは一度大きな瞬きをして気を引き締めると、

先生に挨拶をして急いで保健室を後にした。


あたしは走って校舎を飛び出した。



なんだか、先輩の姿を見つけた途端、

先輩に申し訳ないとか、悪いとか、そんな気持ちじゃなくて、


ただ、早く先輩に会いたいって、



そう思ったんだ……。