あたしの右手の薬指。

それは、新しい「約束」。

あたしにこの指輪をくれたあの日、要は。


「ここは俺のためにとっておいて」


そう言った。






だから、要と離れ離れになるって決まった時も。
その約束があれば、あたしは我慢できると思った。


――でも。

きっとそれは、あたしのただの強がり。




今、こうして要は隣にいてくれる。

相変わらず言葉は少ないし、素っ気無いけど。

それでも、あたしは幸せだって思える。




要……大好き。