久しぶりにこんなに腹がたつ。

私は、
ナオコをレイプしたやつを見つけて絶対に殺してやる、
そう心に強く誓った。

私は早速、犬塚に電話した。犬塚はやくざだ。うちの親父は某組の組長。
犬塚は親父の部下だ。小さいころからの付き合いでよくかわいがってもらった。

「こんにちわ、犬塚。チナよ、ちょっと相談が。今から会えない?」

「お久しぶりです、お嬢さん。私に相談、ということは何かよからぬことが起きたというところですか?」

「そうよ。うちこれる?」

「すぐに伺います、そうですね、30分後に。」

「わかったわ、お願いね。」
そういって電話を切った。



犬塚は、30分後に私のマンションに来た。1年ぶりくらいかな。

「おー、お嬢さん、こんにちわ。ますますお美しくなられて。
さてさて、一体、どうされました?お嬢さん。」

「冗談はいいわよ、実は…。」

私は犬塚に経緯を話した。

「そういうことですか、その犯人を捕まえたいと。ふむ。」
犬塚は考えこんでいる。

「手がかりは、お嬢さんのお友達の証言だけか。なかなか難しいな。」

「お願い、私の親友なの。こんな私と仲良くしてくれるすごいいい子なの。
絶対にそいつを捕まえたい。協力して!」
私は犬塚に頼み込んだ。

「お嬢さん、お嬢さんの親友は私にとっても宝です。絶対に許しませんよ、その鬼畜野郎は。」
犬塚はすごい形相をしている。普段はいかしたおじ様って感じだが、怒ると本当に怖い。
まぁ、やくざだからあたりまえか。

「任せてください。うちの若いもんに情報集めさせときます。何かわかったらすぐに連絡しますんで。」
そういって犬塚は帰っていった。