紫海が、帰って来てからお昼ご飯を食べてしばらく経った頃、トイレの方から声がした。



だから、仕方ねーから紫海と一緒に向かった。



ガチャガチャとトイレを開けると、そこには水洗トイレに座りながら新聞を読むオッサンが居た。



「キャー!」



紫海が叫ぶと、そのオッサンは、片手をあげ……よっ!と軽く挨拶をした。ただ、トイレに座りながら新聞だけを読むオッサンは、新聞に集中しているのかそれっきり黙っていた。


ガチャンとトイレを閉め俺は、溜め息を吐いた。



「恭平……ご飯食べ終わった後は、イヤだね?今のは……」



「ああ……」



なんなんだ?今のオッサンは。何者だ?


ガチャンとトイレのドアが開く。さっきのオッサンが俺達を見下ろすと、紫海に向かって手を差し出した。



「俺、幸村慎太郎言うねんけど、よろしくな?」



「あ、はい、宜しくお願いします」



紫海が手を出そうとして、俺はそれを止めた。