「亜美。着いたよ。」


拓人の声で、ふと我に返り見上げると、目の前にはキレイなビルが建っていた。

「このビルの8階なんだ。」

そう言うと、慣れた感じでエレベーターのボタンを押した。


チン…、という音と共にエレベーターが止まり、扉が開いた。


店内は、数人のお客さんが静かに飲んでいる。