今日は約束の土曜日。



゙えーと。20時に噴水前だったな…。″



あっちの目印は、スーツに黒いカバン。


アタシの目印は、ちゃんと伝えておいた。



『おだんごの髪と白いバッグ』



それにしても……。


スーツ姿に黒いカバンを持っている人が多い…。



゙これじゃ、誰が拓人かわからないよ。″



時計を見ると、20時ちょうど。



゙もしかして、来ないのかもしれない……。″



不安に思っていると、


゙トン″


誰かが肩を叩いた。


後ろを振り向くと、


「亜美……かな??」


「あっ。はい。拓人……??」

「はじめまして。拓人です。」


拓人はそう言うと、優しく微笑んだ。


「あっ。はじめまして。亜美です。」



゙本当に来てくれたんだ。″



アタシは一気に安堵感に包まれた。


そして、驚いたコトは、拓人の『顔』だった。


凄く綺麗な顔立ちをしている。


少し茶色い髪は、ゆるくパーマがかかっている。


吸い込まれそうな茶色の瞳。


スーツがとても似合う大人の男の人だ。


そして、匂いフェチのアタシが思ったコト……。



゙この人、なんて自分に合った香りを知ってるんだろう……。″



拓人の香水は、まるでカレのために創られたような香りだった。



゙拓人って、ホストっぽいな…。″



それ位、カレは完璧だった。


ボーッと拓人に見とれていると、


「俺じゃダメかな??」


ハッと、我に返るアタシ。

「全ッ然!ダメじゃないです!よろしくお願いします!!」


アタシは、ペコッとお辞儀をした。


それを見て拓人は、クスッと笑うと、


「じゃぁ、食事にでも行く??」


「あっ。うん。」


「亜美、行きたいお店ある??」


「拓人に任せる。」


「わかった。じゃぁ、行こう!!」


「はい!」