火螺結衣はウキウキしながら歩く。
右手には封筒を持っている。ついさっき、上司から仕事を頼まれたばかりだった。

「本来は月影君に頼むべきなんだが彼が見当たらなくてね。変わりに渡してくれないか?」
「はぁ…。仕事ですか?」
「そうだよ。今回は君達だけで行ってもらおう」
「…本当に!?」
「ああ、頑張りたまえ。前園君に感謝するんだな。彼が推薦してくれた」
「あ、ありがとうございます!」
「じゃ、後はよろしく」

さてと。
火螺は周りを見渡す。
あの二人は何処だ?地下の射撃場に居るって言ってたけど…。
火螺は適当なドアを開ける。すると竜崎の姿が見えた。

「あ、ここに居たんだ」
「おぉ、火螺か!ちょうどいい。見ててくれ」

竜崎が射撃をするのか銃を構える。
狙いは的だが…

「月影!?」

的が置いてある筈の場所に月影が立っていた。