貴志くんは
私の中で
とても不思議な存在






あれは貴志くんの高校卒業と就職が決まったお祝いを龍也がうちでしようと言った日






私はめちゃくちゃ落ち込んでいた






でもそのことをお母さんと龍也には絶対に知られたくなくていつも以上に明るく振る舞っていた






だから誰も気が付かない






それなのに貴志くんだけは私が笑っていても気づいてしまう