私は、雪に埋もれた。

積もりに積もった結晶が、私を覆い尽くす。



冷たくて冷たくて・・・冷えて行く。



私の肌は、

私の温度は、



段々段々・・・雪になる。



早朝の静かな散歩道。

私は人知れず雪になって行く。

“寒い”なんて感情は、もうとっくになくなっていて・・・。

いっそ心地良いくらい、私は雪に馴染んで行った。



私は・・・私は雪になる。



遠のく意識・・・。

私は、雪と一緒に溶けて消える。




私は、もうすぐ雪になる・・・。




けれど、私は雪になれなかった。

温かな腕が、私を抱いたからだ。

見覚えのある顔立ち・・・。

同じクラスの男子だった。

普段はクールで通っている彼だが、今は違っていた。

白い息を絶え絶えに、肩を上下して・・・。

落ち着く間もなく、彼は私を揺らして言った。