ケータイ小説 野いちご

戦国サイダー

四帖 鈍色

結局食事は何事もなく済んでしまった。


あの鬼虎は無表情、正確に言えば若干怒ったように見える顔で食事を淡々としていくし。


テレビがついてたって、特に何も反応しないし。


麦茶だって、兄が持ってきた冷たいの飲んでたし。



ほんの少し、つまんない、というかがっかりした自分がいる。



「って私はどっちだよ」



鼻まで浸かってた湯船から肩まで出して、自分にツッコミ、声がぼわんと反響する。


ついでに天井からも滴のツッコミが舞い降りてきた。



でも。


自分は兄が帰ってこなかったらどうするつもりだったのだろう。


なあなあで家まで連れて帰ってきて、面倒見る口約束をしていて。



両親がいたら相談してた? 男拾って帰ってきて一緒に暮らすことになりました、なんて言えた?


それに、もし本当に過去から来たのなら、私はどうするべき?


帰る方法なんて、どうしたらわかるんだ、どうやって来たのかもわからないのに。


 

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