泣いて、泣いて、泣きじゃくってから帰った私を。


出迎えてくれたのは兄だった。



どうして今日だとわかったのか、それとも兄も虎にお別れを言いたかったのかわからなかったけれど。



血がつながってるって、すごい。



家の中に入らず縁側で、午前とはいえ日差しを浴びて汗をかきながら。


兄は笑顔だった。



そして何も言わず、私に白い紙を差し出す。



受け取れば、どうやら手紙らしく、まるで卒業式の式辞みたいな紙の包みを開く。



中身は、達筆。



それ以外言いようがない、だって資料集なんかで見る、古文書みたいなんだから。


そんなの読めるわけがなくって、それでも書いてくれたんだと思うと嬉しくって、おかしくって……



泣いてるんだか笑ってるんだかわからないような声が漏れてゆく。