日が暮れる前に戻ると言っていた筈なのに、きっとまた寝過ごしてるんだ。



田んぼのあぜ道を通りながら、あたしはいつもの場所へと向かった。



もうすぐお日さまは隠れてしまう、その前になんとしてでも見つけなければ。



最近この辺りに野犬が出るという話を思い出して、ちょっと背中に寒気を感じた。


だから、早く。


帰り道は一緒なら、安心だし。





田んぼの横の小さな林の間を抜け、あたしは内緒の場所へと急ぐ。


あたしより六つも年上で頼りになるのに、こういうところは駄目なんだから。