ケータイ小説 野いちご

戦国サイダー

三帖 橙色

お湯が沸いたやかんの中に、麦茶のパックを放り込む。


時は八月、熱いし暑い。



まだまだ私の頭の中は混乱してる、きっとあっちも混乱してるんだろうけど。


とりあえず麦茶は零れたし、新しいのを用意すると言って台所に来てみた。



冷蔵庫に冷やした麦茶はある、でもなんとなく暖かいのを。


その方が落ち着くかなぁ……なんて。



知らないものに囲まれてる中、知ってるものがあったらほっとしそうだし。


もしかしたら古い家とはいえ、この建物も異様で落ち着かないのかもしれないし。


 
「あ、湯呑か」



そろそろいいかなというときになって、グラスじゃ駄目なことに気づき、食器棚から湯呑を取り出す。


相当古いものを父が気に入って手に入れてきたため、扉を開けるのも慎重になってしまう。


そんな中にあるのは、母の趣味の陶磁器だったりするんだから、うちってどんだけノスタルジックな家なんだろう。


 

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