ケータイ小説 野いちご

戦国サイダー

八帖 猩々緋

あれ以降、無駄な会話はしなくなった。


勿論完全無視は出来ない、だって我が家にいるんだから。



必要最低限、そう思っていたら向こうもあんまりつっかかってこなかった、というよりちょっと機嫌が悪いらしい。


兄とは普通に会話する癖に、私の顔を見れば眉が寄る、目も細くなる。



その理不尽さに少しいらっときて……少しちくっとした。



もう振り回される必要はない、そう何度も自分に言い聞かせて丸一日。



困ったのは、兄が一人暮らしをしている部屋に帰ってしまうということ。


いなくなってしまえば、私たちは二人きり、両親はまだまだ帰って来ない。



最大のピンチ到来。



さりげなく兄に滞在の延期を申し出てみたけど、笑顔で回避されてしまった。


寧ろ兄は昨日以来、私にあまりかまわないようにしてる、なんとなくわかる。


 

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