「誰あれー!?超カッコ良い〜!!」


「キャー!!イケメンよー!!」






―――――――――…………


窓の外の歓声が、耳障りで仕方ない。

窓を閉め切っているにも、関わらず。




……女共の歓声を、こんなに鬱陶しく思ったのは初めてだ。


昨日まで、この歓声は俺だけに注がれていたのに。


そう思い、俺は血が滲むほど強く、下唇を噛んだ。






……別に、女を取られるのが嫌なわけじゃない。

女なんて、学校の枠を超えればいくらでも手に入るのだから。




俺は、ただ単に。

悔しくて、仕方なかった。


―――あいつに、負けたような気がして。




「あんな奴の、どこが良いんだ」


庶民のくせに、俺様を見下すような人間。

俺は、絶対に認めない。


あいつを見てはしゃぐ女共も、同罪だ。




…………それに。


俺よりもテストの成績が良かったからって、それが何だと言うんだ。

そんなのは、偶然に決まってる。

俺が……

この俺様が、あんな奴に負ける訳ないんだ。






「くそっ」




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