「ふざけんな!! なんだこりゃあ!」

「何だと言われてもな……。手持ちにはこれしかないのだ。後は自身の想像力で補ってくれとしか言いようがないぞ」

「本の内容の話じゃねえ!!」

 絵理は困惑したようにオレを見ている。

「む。もしかすると特殊な器具を使う性癖があるのか? 生憎そのような器具は手元に……」

「人を変態呼ばわりするな! 特殊な器具って何だ、特殊な器具って!」

「初対面の相手にロマンスを求め、性欲解消の手立てにする人間は立派な変態であろう?
 私にも確かに至らぬところはあったかも知れぬ。だができる限り平和的に、そなたの性欲の解消ができるようにと慮(おもんばか)っての事だ。そのような誹(そし)りを受けるいわれはない!」

『変態』という言い草にカチンと来て、苛立ちながら反論する。