紅葉の葬儀は、街外れの教会でしめやかに行われた。

 青司は暫く塞ぎこんで元気がなかったが、冬休みが終わる頃には気持ちの整理もだんだんとついてきたようだった。

 絵理と青司は相変わらず恋人としての付き合いを続けている。

 オレと千沙子は大学への推薦が決まり、進路に関してもほぼ悩む必要はなくなった。

 あの日、青司が言った事を絵理は知っているのだろうか。

 胸に押し込められた鉛は、未だに居座り続けていた。

 絵理がパソコンに向かう時に見せる表情や、日記帳に文字を綴る時に見せる表情を見るたびに、それは激しく自己主張を繰り返す。

 その表情を独占したいという欲求がそうさせるのか、それとも別の何かが原因なのか、解らないまま季節は巡り、オレは高校を卒業した。