ケータイ小説 野いちご

Bitter

最終話  泡沫

——ピチャン。



気を失ったように眠っていた私は、こんな音で目が覚めた。

カーテンの隙間から光がもれている。
それが水道の蛇口をキラリと照らす。






ちょうど、海の夢を見ていた。

浸す水さえも黒く染まっているのではないのかというほどの闇。
そに身を任せ、ひたすら海面の方をゆらゆらと見ている夢。

まわりには見たこともない奇妙な生物がたくさんいて、人間は一人も見当たらない。

胸の中にまで水に犯されたようで、
なのに不思議と穏やかだ。


私が生まれるべき場所は、ここだったんじゃないかな。
そう思った。






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