今日は朝から彼女に会えない。




あ~ぁ。なぁんて思いながらカフェラテを飲む。




まだ世間は夏だな…。



快適な病院の中にいると、季節感が分からなくなる時がある。

嬉しいような、困るような…








とりあえず、今日はオペもないし、
他の患者さんの回診にいかないとな…





スケジュール帳をパラパラとめくる。



それに会議も1件入っていたようだ。




やること全部終わらせてから、今日も彼女に会いに行こ!








―――柊しおりさん、



なぁ、聞こえてるかな?


いや、聞こえてたら困るから、いい!



俺、君がこんなにも好きなんだ。

片時も、一瞬たりとも君の事忘れた事なんてない。

こんなに人を愛した事もない。



俺の心を乱すのは君だけなんだ。



変だって、笑うなよ?


柄にも合わず、鼻歌を口ずさんでしまっていることに。


スキップしてしまっていることに。


『柊しおり』の名字を勝手に、

『尾上』に変えてニヤニヤしてしまっていることに。




全ては君にゾッコンだから故の行動。

君がいけないんだ…しおり。


一度で良いから…俺を…呼んで?




愛してます。かなり。――