優羽吾くんを
目で追ってしまう


廊下に出て携帯で話す彼の顔は、いつもに増してとても嬉しそうに見える


コツッ


「痛いっ!あっ
忘れてた、あんた
まだいたんだ?」


横にいた愛斗くんが、私のおでこをグーで小突く


「まだいたんだ
…ってオレそんな
存在感ない?」


苦笑いしながら
ポッケに手突っ込んで
黒板にもたれかかる


「あのバカ気になる?」

フッと笑うと
私から目をそらし
彼は窓の外を見た