「桃、行って来るな」



「うん、行ってらっしゃい」





桃はニコニコの笑顔を俺に向けてきた。






あのひかるってヤツが来てから早いもので一ヶ月。


桃の短大の入学式もあと一週間にせまったという時期。







俺は仕事に行くため、家の玄関に立っていた。



たくさんのメイドや執事が立っている中に、桃の姿はあった。








「絶対に知らないヤツが来ても入れるなよ」



「大丈夫だって」






桃の笑顔によって、俺の不安は掻き消させる。









「それでは社長、行きましょう」





佐倉の声を聞いて、俺は玄関を出て行った。







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