息が出来なかった。

瞬きが出来なかった。




あたしはバッチリ岬サマと目が合っていた。


岬サマの瞳はビックリするほど冷めきっていて、あたしの身体は震え出す。



…たぶん、岬サマはおとといと同じように、あたしを迎えに来てくれたんだ。


という事は…岬サマはあたしがダイ君に告白されていた所を見たという事になる。



まったく動かなくなってしまったあたしに気が付いたダイ君は、不審そうにあたしの視線の先を追う。




「そういう事なんやなぁ、琴弥ちゃん…」



「えっ…?」




ダイ君はいつもの口調でそう呟くと、あたしを岬サマから隠すように立ち位置を変えた。




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