ベッドの上で、あたしは悩んでいた。

パジャマ姿で腕組みして正座。

およそ色気はない。

視線の先には2通の封筒がある。

あて名には「旭果穂里様」とある。

もちろんあたしの事だ。

あたしは今15歳。ぴちぴちの私立中学3年生。

受験は終わった。
この春からは付属の高校に進学することになっている。

残っているイベントは、卒業式のみ。

だけど、あたしは悩んでいた。

2通の封筒から、それぞれ1通ずつ手紙を取り出す。

どちらも何回読み返したかわからないけれど、何回読み返してもわからない。

手紙の内容はというと、1通目には【10+26】2通目には【5+16】と書いてあるだけ。

ウソじゃない。ホントにこれだけしか書いてないのだ。

当然ながら意味は不明。

卒業式を前にして、妙な問題を出されたものだ。

「やっぱ達郎兄ちゃんの出番かな」

あたしは携帯を手に取った。