ケータイ小説 野いちご

薔薇の欠片

Rose――Ui
貴方の泪を止める術が欲しい



あの日を境に、

私と玲さんは時々会うようになった。



別に約束しているわけでもないのだが、

空が曇っている時、必ずといっていいほど会う。



それが

偶然なのか、

必然なのか、

私にはわからない。



だけど、空が曇っている日は楽しくてつい、

いつもよりも念入りに身だしなみに注意する自分がいる。



街に出ると、

やはり彼に会った。



「最近、よく会いますね」



玲さんは得意の笑みを浮かべる。

つられて私も笑ってしまう。



「本当、会いますね」


「嫌だったりしますか?」



私は彼の優しい意地悪に少し目を丸くした。



「そんなことないです! むしろ、嬉しいです」


「そんなこと言ってもらえると僕も嬉しいです」



だけど、と彼は続けた。



「もう少し経てば、会うこともなくなってしまいますね」



< 8/ 201 >