ケータイ小説 野いちご

薔薇の欠片

Rose――Ui
魔法を囁いて



私はあれから毎日のように怯えていた。


朝、自分の部屋を出られることに安心する。


いつ家に閉じ込められるかどうかもわからない。


両親にバレるのも時間の問題だ。


今の私の心の支えは、

たった一つ。



カレンダーを見るたびに数える。



どれだけ待ったことだろう、

だけどやっとそのときが来た。



今日は、満月だ。



親の前ではいつものようにふるまう。


だけど、お別れも言わなくちゃいけない。


百合にも言わなくちゃいけない。


高藤さんには……会えない。



これだけは邪魔されたくないから。


だから、

ごめんなさい。




< 29/ 201 >