私の足は自然とあの場所へ向かっていた。
何故、
洋館に向かおうとは思わなかったのだろう。
だけど、
私の直感がそう指示した。
あの湖へ行け、と。
その場所へ行くまで、
すごく遠く感じた。
草木が茂っていて、森の中だから何が出るかわからない。
だけど、
貴方に逢えると思ったら恐くないの。
最後に見た玲さんは笑っていた。
それが嬉しくて。
本当は、彼の笑顔が作り物かもしれないと思っていた。
それがわかっていても好きになった。
作り笑いの中に、
時々本音が混ざっていた。
私を嘲笑っていたり、
同情していたり。
今までそういう視線を浴びてきたから気づくのは早かった。