翌朝いつものように自分の駅から一駅歩いて隣の駅に行く。


いつもの待ち伏せ場所。


いつもの時間。


ただ…いつものワクワクする気持ちじゃない。


今日は緊張してる…。


どうやってあやまろうかなぁ。


許してくれるかな?


それともめんどくさくて無視?


なんだか会うのが怖い。


春くんがくるまであと5分か〜。


「ねぇ。」


ん?誰か呼んだ?


振り替えると、小さな女の子。中学生かな?春くんと同じ制服。


色が白くて目もぱっちり。髪はサラサラ…ちっちゃくて守ってあげたくなるような。


お人形みたい……女の私が見てもかわいい。


「ねぇってば!」


あっ見とれてた。


「は、はい?」



「あなたまた春待ってるの?」



「えつ?あ…そう。」


春くんのファン?なんか怖い…。


「やめてくれない?私昨日から春は私のなの。」



「えっ?…」


それって……付き合ってるってこと………?


春くん何にも言ってなかった…。


あっ。違うか…


昨日は私が勝手に怒って帰っちゃったから。


もしかしたら春くんは報告しようとしたのかな?


そもそも報告するような仲でもないか……。


でも女に興味ないっていってたのに……


って……そんなの断る口実だよね。


なんだ…ちゃんと興味あったんじゃん。


興味はあったけど私じゃだめだったってこと?


そっか…そうなんだ…。


「ねぇわかったの?!もう待ち伏せとかしないでね。実依が一緒に行くんだから。わかったら、さっさと学校行ってよ。もう春きちゃうじゃん。」



私はただ黙って立ち去ることしかできない。