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「はやく終わらせたいので、先にジョーカーをひいた方が負けで、いいですか?」







自分より、ひとまわりは幼いであろう少女の言葉に、

葵【あおい】は、耳を疑った。




言語道断。

いいわけがない。



命を賭した競技で、
そんな、完全に運任せな。


いや、待て。


もしかしたら、駆け引きの部分があるかも知れないと、

沈思黙考するも、やはり皆目見当もつかなかった。



本当に、ただ早い決着のために?



「他の競技にしないか?」


「じゃあ、なんだったらいいって言うんですか?」



臆面もなく、(てら)いもない、真っ直ぐに苛立ちをぶつけられて、私は気圧された。




この娘は、善意も悪意も介在させず、
ただ生のままの感情で、物事を運ぼうとしている。




実に、豪放磊落。




気持ちいいほどの、侠気。
旧き日本男児・益荒男の、それだ。