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「あのぉ・・・『七並べ』でも、いいですか?」





相手のおずおずとした申し出に、誠【まこと】は、


「いいですね、七並べ。 私も好きですよ」


と、努めて明るく答えた。



もちろん、そんなことはない。



「懐かしいなぁ。 子どもの頃、よく母とふたりでしたものです」


もちろん、そんなこともない。



「そうなんですか。 僕は兄たちと大富豪でしたよ。 勝ったためしが、ほとんどありません」




誠は納得した。

だから、自分でも勝てそうな七並べにしたのか。


いや、もっと明確な何かがある。




経緯はどうあれ、この部屋に来たってことは、1人には勝っているということ。


それでいて、この平静。


こいつは、ヤバい。