映画館を出ると夏の雨が降っていた。

「何か食べようよ!へへ、お腹減っちゃった」
 忍はぺろと可愛い舌を出しながら言った。

 俺たちは銀座のイタリアン・レストランに入った。ビルの二階にある瀟洒なところだ。
「へー・・・こんな高そうな所、はじめて」

 忍は銀座の通りが見える二人がけの席で、きょろきょろしながら言った。その様子がまたなんとも可愛い。

 雨に少し濡れて胸の輪郭が良く見える。筋肉なのか胸がほんのり女の子のように膨らんで見える!そして絹のTシャツの布越しに二つの尖った乳首が!

 俺は心臓がどきりとした。忍にメニューを説明しているウエイターも、そこをちらちら見ている様だ!

 精悍な眉とその瞳に、男ということはばれているようだ。だが、その幼い仕草と見上げる素朴な表情に、ウエイターは女性にしゃべるように話している。