――放課後



HRが終わってすぐ、俺は帰ろう──として、捕まった。

誰にって?

あの時Qに、俺が『ウサギ』って呼ばれてることをバラした、あの男だ。

挨拶をしてそのまま帰ろうと鞄を持った直後に後ろから腕を掴まれ、そのままQのいるクラスまで強制連行させられた。



名前すらも知らないあの女。

なんだか偉いらしいあの女。



「ご苦労様。ありがとう」

「いえいえ、とんでもございません。当然です」



そう言って、俺の身柄を引き渡した。

当然てなんだよ。

納得いかねぇんだけど。



てかお前そもそもなんなの。



「それじゃ、行きましょう」



トコトコ、勝手に先を歩く彼女。

それをぼーっと眺めていると、強く背中を押された。

振り向けば、そこにいたのは俺をここまで連れてきた男だ。



ニコニコ笑いながら、目は『さっさと行け』と言っている。

……はいはい行けばいいんだろ、ったく。



お前ら自己紹介くらいしないかね……。








そして俺は謎の女に付いていき、門を出るまで会話はなかった。

そして門を出て数歩歩いたところで、この沈黙を破ったのは女の方だった。



































「ごめんね?」


さっきまで偉そうな態度だったその女が、その言葉とともに振り返り、苦笑を浮かべて俺の顔を覗き込んで来たのだ。