ケータイ小説 野いちご

ハスランプ


8時に目覚ましが鳴る。
目覚ましと言っても時計ではなく、携帯電話のアラームだった。部屋に必要以上に時計を置くのは、琴実の趣味ではなかった。
顔を洗い、朝食を作る。昼食用におにぎりを握る。
朝食を食べたら化粧をする。化粧が終わったら制服に着替える。

すべての準備が終わると、慌ただしく部屋を出、車に乗り込んだ。
愛車…といっても中古の軽だが、毎朝20分の道のりを共にする。
琴実の職場は、携帯電話の販売店だ。一年程続いている。

開店は10時から。まだ10分程時間があったが、ドア前にちらほら客が並んでいる。
「今日も忙しくなるんですかねぇ」思わず呟いた琴実に、
「忙しくなるとありがたいけど」同僚が返す。

開店と同時に数人、客が入り、それからまずまず来店があり、昼休憩がスタッフ一人ずつ30分程。
結局閉店まで接客をしている状態だった。

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