いつかの時代、どこかの大地。

 かつて、国があった。

 長く栄えた国に、恵まれた王が生まれた。

 王は、幼少から苦労を知らずに育った。

 王の子に生まれたがゆえに。

 王は、当然のように王位を継いだ。

 王にとって、それは始めから決まっていたことだった。