あたしの名前はマリア。

この国のお姫様。



そんなあたしには、大嫌いな人がいる。




「マリアー!遊ぼうぜ」



「ジュン…」




あいつは、いつも元気よく登場してくる。



―――ジュン。

隣の国の王子様。




「マリア、元気ないなあ」



「ほっといてよ…」




あたしがコイツを嫌いな理由。

それは実にシンプルな理由。―――うるさいから。



一人になりたいときだけ、都合よく現れるジュン。そして、騒いで帰って行く。




あたしにとっては、それはうっとおしい以外の何者でもなかった。




.