「彼がワタシに手切れ金って言って・・・ウッウッ・・・くれたんです・・・」

「だけど・・・いくらなんでも・・こんな大金おかしすぎるっ!」

「いえ・・・・これはあたしのお金です。ウッウッ・・まちがえありません・・・これがあたしの通帳です・・・」

「・・・・確かに・・これはあなたのお金のようだ・・・。」

少しの間、男は考えた。


「わかりました・・・、手で押します。」


「あっ・・・・ありがとうございます・・。これでやっと死ぬことができますぅぅぅ。」


「じゃあ、心の準備が出来るまで待ちます。こんな山奥に人がくることはありませんから。」

すぐに女は答えた。

「もう、いいです!心の準備はできています。はやくっ、はやくっお願いします!」



「・・・・・それではあの崖の上にお立ち下さい。」


「はい。」


女は静かに絶壁へ向かった。