「美咲、ごめんね」

「いいよ」


放課後、あたしと葵は学校の最寄り駅の所から電車で20分離れた所にある駅で降りた。

そこはあたしがよく来る夜の街だ。


誰にも見られたくない。検査薬が買えない。と言う葵を連れてあたしはここに連れてきた。

ただたんに今まで同じ学校の生徒を見た事がないから連れて来ただけであって、他にもっといい場所はあるはずだけど、いつの間にかあたしの足はここに来ていた。



駅を降りて少し歩いた所にデカイ薬局がある。

相変わらずこれから夜になろうとする街はスーツを着た男達が賑わっていた。


葵と並んで歩いて、もうすぐ薬局だと言う所であたしの足は思わずピタっと止まり一角に集中した。