夏の湿った風に、滲んだ光が揺れた。


ぼんやりと明るい街路灯は、いったい、アタシをどこまで歩かせるのだろう。

ただ、歩いた。
ゆっくりと。あてもなく。
たぶん、光のある方へ。


そういえばミュール……。


ふと、靴擦れしていたことを思い出す。さっきまであんなに痛んだのに。