――――10年後―


「あれから、もう、10年か。時が経つのは早いわねぇ」


私の後ろで美沙さんが呟く。


「本当。びっくりしましたよ。あのときは。日本に帰ってきたら娘がまるで別人になってるんですもの」


この二人がこんなに仲良くなるなんて思ってもみなかった。


お母さんは私が結婚すること断固反対だったし。しかもお父さんより。


対する美沙さんは「朱鳥ちゃんなら幾らでもお嫁に来てもいいわぁぁー」なんて言って。


お母さんを説得するのは本当に大変だったよ。

でも、お姑さんが美沙さんだって分かった途端、ぱっと賛成しちゃって。



「はい。出来ましたよ」