…そして、運命の日。


こうゆう日に限って、時間の流れが早いのだ。


あっという間に5限目が終わり、気づけば放課後。


そして、HRが終わるや否や、わたわたと化粧を始める夏生。


気合い入ってんなぁ…
私なんてほぼスッピンですよ?
眉毛しか描いてないですよ?

…なんて感動していると。


「美希、アンタも化粧ぐらいしなよね。あの志季先輩の隣歩くんだから」


「はぁ?何で私がアイツの為に化粧なんぞしなくちゃなんないの」



そりゃあ、志季はモテる(らしい)し、目立つ(らしい)から、一緒にいる私たちまで注目されるのは分かるけど。

だからといって、私は志季の彼女でも友達でも何でも無い。



「…もー!ほら、顔貸して。やったげるから」


痺れを切らした夏生が、私の頬をムギュッと掴んで引き寄せる。


「いでででっ」


「動くな!眼球に綿棒差すよ?」


「す、すみません」



……誰か、助けて。