そうだ。

そもそも、瑠璃子を殺すはめになったのは、この忌ま忌ましい病気のせいだ。


ようやく俺のまともな稼ぎにも細やかな余裕を見せ始めた頃だった。俺は突然に仕事場で倒れ、病院に搬送された。


そして、脳の検査をするよう説得されたのだ。検査結果は最悪でこのままでは命の危険があると云うものだった。

何とか薬で散らしつつも、軌道に乗ったはずの仕事は辞めなければならなくなったし、検査費用だけでなく更に入院、手術等々、俺の手に余る出費は到底、用意出来るものではなかった。