部屋に戻ったあたしは、紅茶片手に加山さんに渡された資料に目を通す。



あの後。

もう一度加山さんから説明されたあたしから出たのは、

喜びの声なんかじゃなく、
不満の声だったんだけどね。



だって、だって!


せっかくの初宿泊ガイドなのに。

そんなに細かくガイドしないで良いとか有り得ないじゃーん。


あたしの夢は?

「右に見えますのは~~~」ってーのは?


あーあ。
せっかくの記念の日だっていうのに……。


ガイドは必要ない(大してなんだけどね)、そうは言われちゃたけど。


一応、念には念を。だよね!

これは加山さんからの受け売りの言葉。


もしかしたら、突然聞かれちゃうかもしんないじゃないね。

あそこはどこですかー? ってさ。

頭の良い学校だって言ってたし、ガイドが知らない。じゃ示しがつかないじゃん。