「オラーイ、オラーイ、スットーップ!」



目の前に迫る大型バスを大きな声と笛で誘導した、あたしに歓喜の声があがる。



「大石さん、凄いじゃなぁい!」



あたしの指導員の加山さんが、キーンと響く声で叫ぶと



「おお、一発だね」



今さっきまで運転していたドライバーの田辺さんまでも、窓から顔を出して叫んだ。


もー、失礼しちゃう!

この観光バス会社(もんのすごく小さな会社だけど)に就職して2年。

これくらいのこと出来て当然じゃん!