ケータイ小説 野いちご

憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)

第2幕
ケーゴ

「お前ひとり?」

熱帯魚が優雅に泳ぐ水槽をボーっと見ていると、聞きなれた声が後ろから聞こえた

振り向くと、制服のままのケーゴ

ココは首を横にふり、顎で店内の一角を示す

ケーゴがその方向を見ると、レン兄とがっくんがテーブルの上の資料を眺めながら話しこんでいる

「レン兄と来たんか・・ だよな~」

ケーゴは納得して、ココの隣に腰を下ろした

ココはケーゴが隣に座ってもまだソファに立ち膝をして後ろを向いたまま水槽を眺めている

「ココの写真集でたな・・・」

「・・・・・・」

「でも、ビックリした あの北斗さんが風景じゃなくて人物メインの写真集出すんだもんな・・ ココの写真集じゃなくて、あくまでも北斗さんの“楽園の写真集”ってさ・・ ウケルんだけど」

そう・・ あの撮影旅行で撮った写真のほとんどがココの写真だったのだ

でも、アイドルの写真集ではなく、あくまでも北斗の作品としての出版だった

ココの素性は一切明らかにされておらず、ただ

モデル:koko

と載っているだけだった

「つーか、俺も買ったし!」

とケーゴはカバンの中から写真集を取り出した

それまで水槽をずっと観ていたココもケーゴのその発言にバッと顔を向け、目を見開いた

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